養老先生のお薦め映画

 『伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう』というお薦めの映画を紹介するラジオ番組をPodcastで聴いていましたら、解剖学者で東大名誉教授の養老孟司さんがゲストで出ていました。養老先生のお薦め作品は『女はみんな生きている』というフランス映画(原題は『CHAOS』)で、先生のお嬢さんが借りてきたのを一緒に観て、なかなか面白かったとのこと。

 どんな映画なのか気になったので、早速観てみました。どこにでもいそうな中年夫婦がある晩、車でパーティーに向かう途中にひとつの事件に遭遇し、旦那の方は関わりあいになるのはゴメンだとばかりにその場を立ち去るのですが、奥さんの方は事件の被害者のことが心配で仕方がなく、その後も被害者をサポートをしていくうちにだんだんと深入りするようになり・・・、といったストーリーがコミカルに描かれています。

 日本の映画というのは多かれ少なかれハリウッドの影響を受けていると思うのですが、こういうったフランスの映画はハリウッド映画とは全く別の価値観に基づいて独自の表現方法を用いて創られているところが、私には新鮮に感じられました。また、単純なハッピーエンドではなく、全てを説明せずに所々に余白が残されていて、あとは観た人が自分で答えを見つけなさいとでもいうようなスタイルもヨーロッパ映画らしいと思いました。