添加物

 コンビニのレジのすぐ隣には大抵唐揚げとかフライドチキンがガラスのショーケースに入っていたりするので、レジに並ぶ際にはイヤでも目に入ってきます。冷静に考えれば決してヘルシーな代物ではないことはわかっているのですが、お腹の減り具合によっては、その魅力に抗しきれずについ買ってしまったことが過去にはありました(最近はありませんが)。で、買って食べた後、暫くたってから若干後悔することがあって、それは唐揚げの香りが食道から口内にかけていつまでも残るからなのでありました。こういった商品には原材料表示が無いので詳細はわかりませんが、恐らくは香料がふんだんに使用されていて、それらが口の中にいつまでも残るのだと思われます。食べた人が「チキンの風味」と感じるのは、その鶏肉が本来持っているものではなく、人工的に合成された香料に由来するもので、安価な肉を美味しそうに感じさせるには必要不可欠な添加物なのでしょう。
 こういった手法は唐揚げだけでなく、例えばバターの香りがたっぷりのパンやビスケットなどもバターがちゃんとたくさん使用されているわけではなく、バターのニオイがする香料を添加していることが多いと思われます。
 それから、チョコレートにおいては、勿論カカオ豆やカカオバターといった原料を使用するわけですが、それらに加えてチョコレートのニオイがする香料を添加するのが普通です。ヨーロッパの一部の国や地域では、チョコレートに添加することが認められる香料はバニラ香料だけという規則があるところもありますが、日本においてはチョコレート香料を添加することが認められています。まあこれにはいくつか理由があって、原料となるカカオ豆のうち、良質のものは主にヨーロッパのメーカーに買われてしまうことがあり、これはヨーロッパの方がチョコレート作りにおいては長い歴史があるので、仕方がありません。それだけ良質なカカオ豆を使用できるならチョコレート香料など添加しなくても風味が良い製品ができるのでしょうが、日本に入ってくるカカオ豆は必ずしもベストな物ではないので、どうしてもチョコレート香料で風味を補強せざるを得ないのです。

 日常の食生活から摂取している添加物の量はかなり大きいと言われています。添加物が必ずしも悪いわけではなく、少なくともちゃんと認可された物を使っていますが、なるべくならそういった添加物が少ない商品を選ぶようにしたいです。