投票

 村上春樹さんは、生まれてこのかた選挙の投票というものを一度もしたことがないそうです。理由は、上に書いてある通り。確かに、その通りだとは思います。しかし私の場合は「投票せねば」という気持ちが強いので、これまでは市議や県議などの地方選挙から衆院選参院選に至るまで、ほぼ毎回投票所へ足を運んできました。でもこれは、自分自身で考えて判断を下したというよりは、小さい頃から「投票へは絶対に行くものだ」という考えを刷り込まれていたからであるような気がします。
 春樹さんが仰っているように、選択肢は不毛の場合がほとんどです。「是非、この人に当選してほしい」という候補者に出会うことは滅多にありません。それに、誰が当選しても、結局のところ官僚が主導して政策が決められるのだろうし、当選した人は「いかにして次の選挙に通るか」で頭がいっぱいで、一般庶民の暮らしを良くしたいと思っている人なんていないでしょうから、投票しようとする気持ちが無くなるのも理解できます。
 それから、これはよく言われていることですが、いろいろと不祥事を起こす政治家だって、そもそもは多くの人がその人に投票したのですから、そんな人を選んでしまった有権者にこそ大きな責任があるはず。その時の雰囲気や、テレビによく出ていて顔を知っているから何となくその候補者に入れたという有権者がいかにたくさんいるか。そういうところが変わらないと現在のような状況がこれからも続いていくのでしょうね。

 さて、私はと言いますと、今回も期日前投票へ行ってきました。日曜日は会社へ行く予定だし、天気も悪そうでしたので。投票を済ませると「投票済証」というものが希望者に配られていました。こんな物があるなんて知らなかったのですが、たまたま私の前にいた人が受け取っていたので、私も貰ってきました。貰える物は取り敢えず貰っておこうというノリで貰っただけなので、この証明書が何の役に立つのかは全く分かりません ^^;) ネットで調べてみたら、例えばスーパーなどのレジでこの証明書を提示すると幾らか割引されたりする地域もあるそうです。つまりは投票を促進する手段のようです。ただし、この証明書は法的には何の効力も無いそうで、証明書の書式も自治体によって様々で、イラスト入りでカラフルな証明書を発行するところもあるようです。