アルコールの分解

 免許更新の際の講義で、もうひとつ、知ってそうでいて詳しくは知らなかったのが、アルコールについてでした。アルコールは体内では肝臓で分解されます。肝臓(の酵素)がアルコールを分解する能力は、体格や体質によって幅があります。1時間に5gという説もあるそうですが、少なめに見積もって1時間に4gとすると、缶ビール1本のアルコールを分解するのにどれだけの時間がかかるのか? ビールに含まれるアルコールを5%とすると(度数がもっと高いビールもありますけど)、350ml (便宜的に比重を1.0とすると350g)には17.5gのアルコールが含まれていることになります。肝臓が1時間に分解出来るアルコールは4gなので、17.5÷4=4.375時間=4時間22分30秒となります。これが2本ならその2倍の8時間45分かかることになります。夜遅くまで飲んでいると、朝になってもまだアルコールの分解は終了しておらず、そのまま車に乗って仕事に出掛けたりすると飲酒運転または酒気帯び運転になってしまう可能性があります。実際のところ、飲酒運転の摘発件数は朝が多いのだそうです。酒を飲んだ後に寝ればアルコールが分解されたり、お風呂やサウナに入れば汗と一緒にアルコールが抜ける、と思われることもあるようですが、そんなことはなくて、寝るとむしろ肝臓でのアルコール分解速度は落ちるし、アルコールが分解されるのは肝臓だけなので、血中のアルコールが汗となって抜けることもありません。そのあたりを認識した上で、適度にお酒を楽しみたいものです。