ノンアル

 会社からの帰宅途中にコンビニに立ち寄って、幾つかの商品をカゴに入れてからレジに向かう途中で、そう言えばちょっと前に発売された何かを買おうと思っていたんだ、と思い出したまでは良かったのですが、それが何であったのかが分かりません。レジの手前でUターンして再度店内をぶらぶらと歩き出し、そうしているうちいパッと思い出すだろうと期待していたのですが、一向に思い出せません。あまり長い時間あても無く店内をウロウロしていると不審に思われるので、諦めてレジで会計を済ませ、店の自動ドアを出て5歩ぐらい歩いたところで突如思い出しました。キリンの新しいノンアル飲料『グリーンズフリー』を買うんだったと。そして急いで踵を返してもう一度店内に入り、グリーンズフリーを購入したのでありました。帰宅して風呂上がりに飲んでみましたところ、風味はまぁ悪くはありませんでした。ただ、本物のビールに近いかというと、まだまだ隔たりがあるのを認めざるを得ず、口直しに一番絞りでもスーパードライでもいいから飲みたくなりました。日本のトップメーカーの技術をもってしても、アルコールが入った本物のビールになかなか近づくことができない現実を前にすると、アルコールというものがいかにビールの風味を構成する上で重要な働きをしているかがよく分かったのでありました。