思い出の海老チリ

 大学時代に東京のアパートで一人暮らしをしていた頃、晩ごはんの材料を買うために近所の商店街の中にあるスーパーへはよく買い物に行きました。ある日、そのスーパーでたまたま目についた海老チリの冷凍食品を何となく買って、下宿へ戻って袋ごと沸騰したお湯に入れて解凍・加温したものを何となく器に盛り付けました。この時点ではまだ全く何の期待もしてなかったのですが、一口食べてその衝撃的な美味さに感動したことが強烈な印象として記憶に残っています。その後も度々その冷凍の海老チリをリピート買いしていたのですが、販売が終了したのか、いつしか見かけなくなりました。しかし、あの美味しさを忘れることが出来ず、スーパーで別のメーカーの海老チリを見かければ買ってみますし、中華レストランへ行ってメニューに海老チリがあれば必ず注文するようにしてきました。そうやってこれまでにかなりの数の海老チリを食べてきたのですが、あの美味しさに匹敵して私の舌を満足させてくれる海老チリに出会ったのはヒルトン名古屋の中にあるチャイニーズレストラン『王朝』だけで、それ以外は全てハズレでした。ヒルトン名古屋なんてそう頻繁に行けませんので、もっと手軽に購入できる海老チリがないものかと常日頃から思っている私の前に突如現れたのがセブンイレブンの『金の海老チリ』でした。セブンの『金の〜』シリーズはクオリティが高い商品が割とたくさんあるので、この海老チリにも大きな期待を寄せつつ購入して電子レンジで温めて食べてみました。結果は、これまでに食べてきた海老チリの中では上位に入る美味しさだけど、私の学生時代の思い出の味とはちょっと違います。最大の違いは、セブンの海老チリの海老には天ぷらみたいな衣が付いていること。衣が付いている海老チリはよく見かけます、というか大半の海老チリの海老には衣が付いていますが、衣が付くと美味しさが半減してしまうような気がします。私の思い出の海老チリには衣は付いていませんでしたし、ヒルトンの海老にも衣は付いていません。どうして衣なんて付けるんだろう?単純に嵩を増やすためか?海老チリソースがよく絡むようにするためか?