ジョニーウォーカー

 1週間ほど前のブログに、小説の中に出てきたピムズカップというカクテルを飲みに行ったけど、そのカクテルを作るのに必要な材料が一部不足していたために、飲めなかった、ということを書きました。その小説の中で、主人公の私立探偵の女性は、ピムズカップ の他にジョニーウォーカーの「ブルー(青)」も飲んでいました。ジョニーウォーカーというウイスキーに関しては、あまりにも有名な銘柄であったので、お酒を飲み始める前から名前だけは聞いたことがありました。テレビのコマーシャルで見たのかもしれないし、お中元やお歳暮、あるいは何かの御礼やお祝いとして父に贈られたものが家にあるのを目にして知っていたのかもしれません。中でも黒ラベルは「ジョニ黒」と呼ばれて、世間ではよく知られた存在でした。そのように有名過ぎる銘柄というのは、ありふれた感じがして、ありがたみがあまり無く、リカーショップで見かけても買おうとは思いませんでしたし、バーで注文することもこれまでは一度もありませんでした。飲まなかったもうひとつの理由としては、ジョニーウォーカーのようなブレンドウイスキーよりもシングルモルトの方が「上」で、「通好み」であるという思い込みがありました。しかし、小説の中に登場すると、俄然興味が湧いてきたので、ピムズカップを飲みに行った際にバーテンダーに尋ねてみると、ジョニーウォーカーは、一番安いものは置いていないけど、その次に高いブラック、ゴールド、ブルー、スイングの4種類を置いていると言い、カウンターの上に並べて見せてくれました。そのうちの、小説に出てきたブルーを飲みたいのはやまやまだったのですが、既に他のお酒を飲んで、気持ち良く酔える酒量に達してしまっていたので、また次回に飲むことにしました。ちなみに、スイングというのは瓶の底が丸くなっていて、中にウイスキーが入っていると、それが錘になって起き上がりこぼしのようにグラグラ揺れてもまた元どおり直立します。これは船に積んだ際に、倒れて瓶が割れることがないようにするためだそうです。

f:id:tsuiteru2772:20190911220107j:plain

 

長引く暑さの影響

 一旦は秋めいた雰囲気になったものの、それは一時的なもので、またすぐに暑い日が続くようになりました。日中の気温は35℃を超え、真夏のような暑さです。

 先日、ホームセンターに行きましたら、暑さ対策のグッズが並んでいる隣で、早くもコタツの販売が開始されていました。また、コンビニでは中華まんが売られ始めました。確かに、暦の上では、というか年間スケジュール的には、コタツや中華まんをはじめとする秋冬向けの商品の販売がスタートする頃なのかもしれませんが、こういうのは見ているだけで暑苦しくなってしまいます ^^;)

 夏の暑い期間が長くなると、エアコンなどの家電や、夏向けの衣料品、ビールやアイスクリーム類の売上は伸びるのでしょう。しかし夏が長くなった分、秋冬が短くなり、そうなると、主に秋冬が書き入れ時である商品が打撃を受けることになりそうで、例えばチョコレートメーカーの売上は落ちていくことになるかもしれません。

 

A氏の執筆スタイル

 本業は作家のA氏は、民間のシンクタンクの社長を務めていた頃でさえ忙しい毎日を送っていたのですが、国会議員になってからは更に多忙を極めているのだそうです。議員になっても原稿の執筆を続けているので、毎日の睡眠時間は1時間半しかないと言っており、普通であれば体が持たないと思うのですが、本人曰く、もともと体が丈夫なのだそうです。そんな多忙なA氏は、時間があればパソコンを開いて原稿を書きます。新幹線で移動中は勿論のこと、飛行機で海外へ出張する際も、他の乗客がスヤスヤと眠っている時間帯も、黙々と原稿を書くのだそうです。そういうまとまった時間でなくても、例えばタクシーに乗っているときは当然のことながら原稿を書きますが、支払いの際、クレジットカードを出して、それを受け取った運転手が手続きをしているほんの僅かな時間にもノートパソコンに向かって執筆を行うと言っているのを聞いて驚きました。更に驚いたのが、A氏の自宅での執筆のスタイルです。パソコン4台(デスクトップ1台、ノートパソコン3台)を並べておき、それぞれ全く別の原稿を並行して書くのだそうです。あるパソコンで原稿を書き、途中で別のパソコンの前へ移動して別の原稿を書き、また次に別のパソコンへ・・・、とローテーションするようです。書いている途中で煮詰まって「う〜んっ」と唸りながら筆が止まったまま時間が無駄に過ぎていくのではなく、煮詰まったら別の原稿に切り替えることにより、時間のロスを少なく出来るのでしょうし、目の前の原稿から一旦離れて再び戻ってくると、その文章を客観的に見ることが出来て、アラが見えてくるとも言っておられました。そう言えば、大昔に東大名誉教授の竹内均先生の講演を聴いた時に、先生は勉強する際にひとつの教科をずっと何時間もやるのではなく、比較的短い時間(15分とか)で教科をどんどん変えていく、と仰っていたのを思い出しました。そうすることにより、休憩時間なんて取らなくても、教科を変えると気分も変わるので、集中力が途切れずに効率的に勉強が出来るのだそうです。

 ただ、A氏の場合、更に凄いのが、4つの原稿を同時進行で書きながら、テレビを2つ用意しておいて、2つの別の映画(DVD)を流しておくのだそうです。但し、音声は消しておき、原稿を書いている合間にチラチラと画面を眺めて、映像だけでストーリーを追うのだそうです。これらに加えて、音楽もかけているというから、たまげてしまいます。原稿4つ、映画2本、音楽1つ、合計7つのものに注意を向ける、こんなことが出来るのはA氏の他には聖徳太子ぐらいでしょう ^^;)

 

ミステリーを通して知る文化

 「その国のことを知りたければ、その国のミステリー(推理小説)を読めばいい」というようなことが以前読んだデンマークのミステリーの巻末の解説(by翻訳者)に書いてあり、なるほど、一理あるなぁ、と思いました。学校の教科書や旅行のガイドブックに書いてあるようなベタな情報ではなく、通りすがりの観光客には伺い知ることが出来ない、その国に暮らす一般の人々の生活の中のちょっとしたことや、心の中の様子がミステリーには描写されているからです。そういう、日常生活の出来事の断片が集まってくると、段々とその国の人々の気質やカルチャーの輪郭が見えてくることがあります。ミステリー以外の小説でも、そういう描写は出てきそうですけど、何故かミステリーの方が分かりやすいというか、ピンと来るのは確かです。

 先日読んだミステリーはアメリカのシカゴの女性の私立探偵が主人公でした。その女性が、朝、出掛ける準備をしながら、コーヒーを飲み、燻製ニシンを食べる、というシーンがありました。へぇ、燻製ニシンなんて食べるんだぁ、と驚きました。アジア、あるいはノルウェーとかフィンランドのような漁業が盛んな国ならいざ知らず、アメリカ人が魚を原料とした食品を日常的に食するというのは新鮮な驚きでした。彼らが食べる魚は、せいぜいフィッシュ&チップスのような白身魚(タラとか)のフライぐらいだろうと思っていたので。この小説の中の燻製ニシンを食べるくだりを読んだ時、大きなニシンを丸かじりしている姿を想像してしまったのですが、Amazonで調べてみたら、裂きイカみたいに細長く切ったものがあったので、小説の中の女性探偵が食べているのは、多分そういうものなのでしょう。どんな味がするのか、食べてみたくなりました。

にしんの燻製得用 220g

にしんの燻製得用 220g

 

 

あの人は今(その後)

 1か月ほど前に小池龍之介というお坊さんのことをブログに書きました。小池さんは長年に渡り座禅瞑想を通して修行しており、解脱まであとちょっと、というところまで辿り着いたので、残りの部分を仕上げるために、座禅指導や本の執筆等を全て一旦ストップして、各地を放浪しながら修行を集中的に行うことにしたのでした。それが2018年9月のことでした。早ければ1年、長ければ7年でまた皆んなの前に戻ってきて、修行で得たものを伝えたい、と書いてました。しかし、放浪の旅に出てみると、ほぼ消滅したと思っていた心の弱さがまだ強く残っていることが分かりました。悪戦苦闘するも、遂には放浪を続けることを断念したのだそうです。それが2019年の3月だそうで、と言うことは、1か月前に私がブログに書いた時点では既に放浪は頓挫していたのでした。放浪に出る前は、解脱までの道のりの90%までは到達しているので、残りは10%だと思っていたけれど、実際にはまだ30%ほどしか進んでいなかったのだと分かったそうです。そのあたりの心情について語った音声ファイルがネットにアップされておりました。今後は、座禅などを含め、人に何かを指導するようなことは一切せず、他人との関わりも最小限にとどめる、と言ってました。

 結果的には、解脱目前だと大きなことを言ってたのに挫折したわけですが、それが理由で小池さんに幻滅してしまうようなことは全くなくて、普通ではなかなか出来ないことにチャレンジした精神は素晴らしいと思いますし、これをステップにして前進して欲しいし、これらの苦しい局面を体験した小池さんだからこそ伝えることが出来ることもあるでしょうから、いつの日かまた座禅指導や本の執筆を再開することを願っています。