岡本太郎

 買いたい本があって書店へ行き、その本がある棚へ辿り着くまでの間にたまたま目に付いた本をヒョイと手に取ってパラパラとページをめくって斜め読みしてみたら面白そうだったので、その本も買ってしまったということはよくあります。これはアマゾンには無い、リアル書店でしか味わえない読書の楽しさであります。

 最近、そのようにして購入したのが岡本太郎の『自分の中に毒を持て』という文庫本でした。岡本太郎と言えば、太陽の塔とか、あとはまだご存命の頃にテレビコマーシャルで目にしたり、お笑い芸人がモノマネをしていたり。ただ、それで自分では岡本太郎を知っているつもりでいたのですが、それは彼の一部分に過ぎず、本当は凄い情熱を持って生き抜いた人なのだということをこの『自分の中に毒を持て』を読んで知りました。これが私の中での岡本太郎との本当の出会いと言えましょう。

 岡本太郎の作品を生で観ることが出来る「岡本太郎記念館」という施設が東京にあるそうです。新型コロナウイルス騒ぎ落ち着いたら、いつか訪れてみたいです。

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

  • 作者:岡本 太郎
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 文庫
 

 

 

3.11

 今年もまた3月11日がやってきました。あれから9年も経ったとは、とても思えません。その年に私の身の回りで起こった他のことを思い出してみると、それなりの月日が経過した出来事であると感じるのに、東北の震災だけはまだつい最近に起こったことのように思えて仕方がありません。私自身や私の親類や知人が被害に巻き込まれたわけでもないのに、まるでそうであるかのように心が痛みます。そして、そうであるにも関わらず、特に何かをしているわけではない自分に対して忸怩たる思いになるのでした。

 3月11日が近づいてくるとテレビやラジオや新聞でも特集が組まれて、震災当日の様子をあらためて伝えていたりします。昨年まではそういうものを一応は観たり聴いたりしていたのですが、そうすることがあまりにも辛いので、今年はなるべく観ないようにしていました。しかし、たまたま聴いたラジオ番組の中で、被災地の復興に向けて様々な事業が展開されていると知り、嬉しく思いました。そういったものが今後も進展していくことを願っております。

特急

 鉄道関係に特に深い思い入れがあるというわけではありませんが、それまでに目にしたことが無いようなフォルムの車体に遭遇した時などは、物珍しさから写真に収めることがあります。先日も、京都駅で奈良線のあるホームから中央改札口方面へ行く際は、一旦階段(あるいはエスカレーター)を昇って線路をまたぎ、また階段で地上階へ降りるのですが、階段で降りるようとして、ホームに特急列車が停車しているのが見えました。初めてみる列車で、調べてみたら「スーパーはくと」でした。京都から鳥取方面へ行く列車らしいです。一度乗って、どこか遠くの行ったことの無い街へ行ってみたいなぁ・・・

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商品名の由来

 ある人がツイッター亀田製菓の『ハッピーターン』という商品名の由来について呟いていまいした。本当かな?と思ったので公式サイトで確認したらやはり正しくて、この商品の開発が行われていた当時は第一次オイルショックの影響で日本中が不景気だったので、幸せ(ハッピー)がお客様に戻って来る(ターン)よう願いを込めてハッピーターンという商品名にしたのだそうです。そこまでは知りませんでした。そういう発想が出来る企業というのは素敵だなぁと思いました。

 ただ、「いい話だなぁ」とホッコリしている気持ちに水を差すようですが、ハッピー(happy)というのは形容詞で「幸せな」とか「楽しい」などの意味があります。「幸せ」という名詞ならhappiness です。一方、ターン(turn)という単語は動詞も名詞もありますが、名詞の場合は「回転」とか「順番」などの意味があります。従って、ハッピーターン(happy turn) は「幸せな回転」という意味になります。「戻って来る」はターン(turn)ではなくリターン(return)。でも、「ハッピーターン」と聞くと「ああ、ハッピーが戻って来るんだな」という意味が何となく通じてしまうのが面白い点であり、問題点でもあります。このあたりはソニーWALKMANという商品名と通じるものがあるような気がします。

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今月の伏見稲荷大社

 京都では伏見稲荷大社へ参拝もしました。新型コロナウイルスの影響で、人の数はこれまでと比べてかなり少なくなっておりました。観光客はアジア系が極端に減って欧米系が目立っていました。普段は参拝客というよりは観光客でごった返していて、単なる観光地と化していることを嘆かわしいと思っていた私としては、これぐらい人の数が少なくなってやっと落ち着いて参拝できるようになったなと思いました。一昔前まではいつもこんな感じだったのが、数年前からか急激に観光客が増えて、神社から静寂さと神聖さが失われてしまいました。周辺の土産物屋や飲食店は海外からの観光客が減少したことによる影響が大きいので痛し痒しではあるのですが、やはり神社という場所は観光地化しない方が良いのではないかなぁ。

 本殿の入り口の手前にある手水舎は使用できないようになっていました。これは正しい措置だと思います。

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 その手水舎に立て札があり、そこには「新型コロナウイルス対策のため、手水舎の使用を取り止めております」と書いてあり、その下にその文面が英語と中国語に訳されたものが書かれていました。中国語の方はさっぱり分からないので、英語に訳された方を読んでみました。文章の最後に"Thank you for your corporation"と書いてあります。「ご協力ありがとうございます」という意味のつもりなのでしょうが、corporationというのは「会社、株式会社」という意味ですから間違っています。この場合は正しくはcooperationとしなくてはなりません。corporationとcooperationは発音が異なりますが、日本人にはどちらも同じように聞こえるので、よく勘違いされる単語であることは確かですが、伏見稲荷大社ともあろう超有名な神社がこんな間違いをしていてはダメじゃん ^^;)

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