鯉のぼり

 この季節、田舎の方へドライブすると大きな鯉のぼりが風に揺れているのを、たまに見かけることがありますが、街中ではそういった光景を目にすることは無くなりました。住宅街では飾るスペースが無かったり、少子化のせいで子供の数が少ないからかもしれませんが、何だかちょっと寂しい気もします。
 私の家には大きな鯉のぼりがあって、私が小学校低学年くらいまでは、毎年飾っていたように記憶しています。その鯉のぼりは、私が生まれた年に祖父が贈ってくれたもので、母の話では、それまではよその家の鯉のぼりを見るだけだったけど、男の子が生まれたことにより、自分の家でも立派な鯉のぼりを飾れるようになったことをとても嬉しく、誇らしく思った、と言っていました。そういった親や祖父の気持ちは、小学生の時にはよくわからなく、ただ「ふ〜ん、そうなの」というぐらいにしかリアクションできませんでしたが、今になって考えてみると、たいへんありがたく感じます。
 そんな我が家の立派な鯉のぼりも、今では飾られることはなく、箱に入れられたままひっそりと眠っています。将来、結婚して、もし男の子が生まれたら飾ってみるのもいいな、と考えています。