ひどく汗っかきな私は、日本の夏が苦手です(もっとも、得意な人はあまりいらっしゃらないと思いますが)。温度が高くても湿度さえ低ければ過ごしやすいと思うのですが、こう蒸し暑くては人間の居住環境としては絶対に適していないと思います、というかずっと昔からそう思っていました。ですので、アメリカの大学院へ留学する際も、どの大学を選ぶかという基準の中で「夏が蒸し暑くない地域」ということを優先順位のかなり上位に位置づけました。夏がカラッと乾燥している、となると必然的に西海岸ということになり、最終的にオレゴン州の大学院にしました。この選択は間違っておらず、概ね美しく爽やかな夏を満喫することができました。しかし、たまぁに、海流の温度のせいか、はたまた風向きのせいかは知らないのですが、めちゃめちゃ蒸し暑くなることがあって、エアコンが付いていない寮(普段はエアコンを必要としないので設置してない)に住んでいた私や他の学生は、勉強の手を休めて廊下へ座り込んで「あっちーなぁ…」と言いつつグダグダしていました。いつも行っているキャンパス内のコーヒーショップならまだ過ごしやすいかも、と思って行ってみると店は閉まっていて、「今日はとても暑いので閉店しました。また来てね!」と書いた紙がドアに貼ってあったことがありました。さすがにそれには驚いたのですが、そういう対応はある意味、正解なのかもしれないと思いましたし、それがまかり通る社会の「適度にユルイところ」が好きです。