サマーキャンプ

 アメリカにいた頃は、キャンパス内にある院生専用の学生寮に住んでいました。院生用の寮は、お金さえ払って手続きすれば一年中住むことができます。しかし、その他に多数ある学部生(1〜4年生)用の寮は、夏休みになると学生は出ていかなくてはならないシステムになっていました。アメリカの夏休みはだいたい3か月ほどあるのですが、学生が出ていったあとのたくさの学部生用の寮を使用しないまま放置してあるかとういと、決してそうではありません。アメリカの大学は、大学間での単位の移行が可能な場合があるので(A大学で取った単位をB大学の単位としてカウントできる等)、夏の間に行われる授業を受けるために他の州や他の国から学生達がやって来るので、そういった人たち用の滞在先のひとつとして一部の寮が使われることがあります。
 その他の夏の間の寮の使用方法としては、サマーキャンプ(夏合宿)があります。これは、日本の小・中学生にあたる子供達のスポーツチームが大学の施設(グランド等)を利用してトレーニングや試合を行うもので、その際の宿泊先として学生寮が使われます。いろんな種類のスポーツチームがあるのですが、最も強く印象に残っているのが女子サッカーです。相当広い芝生のグランドの上に数面のサッカーフィールドが仕切られ、そこで十数チームが2週間近くにわたり毎日トレーニングを行っていました。アメリカでこんなにも女子サッカーが盛んだなんて全然知らなかったので驚きました。このような女子サッカーのサマーキャンプは恐らく他の州でも行われているだろうから、アメリカ全体の競技人口は多く、選手層が厚いんだろうな、と思いました。だから、今になって考えてみれば、アメリカが世界ランク1位だというのも何となく納得できるし、そのアメリカに勝ったナデシコは凄いんだなと思いました。