今週の1冊

完盗オンサイト

完盗オンサイト

 今年度の江戸川乱歩賞は2作品あったのですが、そのうちのひとつがこの『完盗オンサイト』。応募時は『クライミングハイ』というタイトルだったそうです。2作品とも作者が女性というのは史上初らしいです。
 乱歩賞の作品を読むのは、ほんとに何年ぶりだろうか、というくらい御無沙汰していたのですが、「皇居へ侵入し、徳川家光が愛でたという盆栽を盗み出す」というアイディアが面白そうだったので読んでみました。
 この作品は、厳密には「ミステリー(推理小説)」と言えないかもしれない種類のストーリーですが、そこそこ面白かったです。ただ、審査員の間でも評価が割れたらしく、内田康夫氏は「マンガの原作程度にしか評価できない」と”酷評”していました(本の巻末に内田氏の評が載ってました)。