- 作者: 中田宏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/10/26
- メディア: 単行本
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私は自分で事実関係を調査したわけではないので、何が真実で何が真実でないのかは分からないのですが、この本に書かれていることが事実だとすれば、この本のいささか物騒なタイトルもあながち間違ってはいないな、と思いました。
横浜市というと「先進都市」的なイメージがあるので、政治においてもそれなりに進んでいるのかと思いきや、なかなかそうでもないようです。たぶん他の地方自治体でも、あるいは国家の政治においても、程度の差こそあれ「利権とそれに群がる人たち」という基本構造は同じなのでしょうから、そりゃあ、財政が逼迫するのも当然で、読んでいてだんだん気分が滅入っていきました。
また、一般企業であれば当然行われるであろう明らかな無駄(合理性の無い特別手当とか)の排除に対しても、それが職員給与の減少に繋がるようであれば、職員からの猛烈な反発があるようで、たとえ改革すべきポイントが明確になっていたとしても、それを実行するのは容易ではないということがよく分かりました。
ただひとつ救いだったのは、そういった改革への取り組みに対して比較的若い世代の議員や職員の中に理解を示す人が多くみられたということです。こうした人たちが、やがては「長いものには巻かれろ」的に古くてなまぬるいシステムの中に取り込まれていってしまうのではなく、いつまでも志を高く持ち続けて欲しいと思いました。