J-WALK (ジェイウォーク)

 オレゴンの大学院へ行く前にロサンゼルスのUCLAの中にある英語学校に半年間ほど通っていました。授業初日のオリエンテーションで、各国からの留学生に対して、まずアメリカで生活する上での様々な注意事項について説明がありました。その中に交通ルールに関する説明があり、中でも「アメリカではJ-WALKは禁止」というのが印象に残っています。

 J-WALKとは、横断歩道の無い所や道路の四つ角以外の場所で道路を横切ることを言います。その際の歩行者の軌跡(左図の赤い線)がアルファベットのJに似ていることからその名が付いたそうです。州によって金額が異なると思いますが、違反した場合は100ドル程度の罰金が科せられるようです。その代わり、信号の無い四つ角に歩行者が来た場合は、車は必ず停止するので驚きました。それは決してアメリカのドライバーが思いやりを持っているからではなく、もし何か事故があって裁判になった場合、停止しなかった車には勝ち目が無く、莫大な慰謝料を支払う羽目になるからです。理由はどうあれ、ルールが分かり易く、徹底されているのでありがたかったです。

 一方、日本では信号の無い横断歩道や四つ角で歩行者のために自動車が停止するという光景はあまり見かけません(自動車学校では停止するように教えられるのですが)。逆に、歩行者が信号の無い場所を横断するのは日常茶飯事で、ルールがルーズになっており、それが交通事故に繋がることもあります。実際、交通事故ワーストワンの愛知県では、特に年配の方が危険な横断をして事故に巻き込まれることが多いそうです。

 古い交通標語に「無事故で年末、笑顔で年始」というのがありますが、他人事だと思わず、気を緩めないようにしようと思いました。