自転車泥棒

 アメリカは「治安が悪い」というイメージがあります。確かに大都市へいけばそれなりに治安も悪くなるのでしょうが、それ以外の場所はそうでもありません。私が住んでいたオレゴンの片田舎も特に犯罪が多いわけではなく、日本にいる時と同じ感覚で過ごせました。
 しかし、そんなのどかなオレゴンですが、何故か自転車の盗難は多かったです(たぶん、オレゴン以外の地域でも同じだと思います)。私も、大学がある街の専門店で買ったマウンテンバイク(350ドルぐらいだったはず)を、半年もしないうちに盗まれたことがあります。盗まれて悔しい気持ちは勿論強く感じましたが、アメリカで生活することにおける洗礼を受けたような妙な気分でもありました。
 そのマウンテンバイクは、寮のすぐ目の前の通路の鉄柱にU字型の頑丈な錠で繋いでおいたのですが、やられてしまいました。周辺に駐輪してあった自転車も全て根こそぎ盗まれており、話によると「自転車の窃盗団」的なものが存在し、ピックアップトラックか何かで乗りつけて盗んでいくのだそうです。窃盗団にしてみれば、U字型の錠など簡単に外してしまうことが出来るみたいです。
 これに懲りて、次に買った自転車は、面倒ですが寮の部屋の中まで運び入れて保管するようにしました。
 窃盗団というような組織的なものでなくても、自転車の盗難は日常茶飯事的に発生していました。それに対抗するため、駐輪の際にはU字型やワイヤー状の錠で何かに括り付けた上、サドルや前輪を外しておく人もいました。外したサドルや前輪を片手に持って、図書館へ行ったり、講義を受けるために教室へ入ってきたり、スーパーで買い物をしたりするわけで、日本だったらかなり奇妙な光景になるのでしょうが、アメリカではごくありふれた日常でした。

Ferrari(フェラーリ) Uロック アルミ 17101-00

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