『仕事のギリギリ癖がなおる本』

仕事のギリギリ癖がなおる本

仕事のギリギリ癖がなおる本

 夏休みの宿題を休みの最後の方に慌てて片付けたり、提出書類が期限直前だったりという「ギリギリ癖」は、心が弱いからではなく、そもそも人間の脳が「ギリギリ癖」になるように設計されているからだそうで、そういった観点から書かれた本は初めてでしたので、読んでみました。
 ギリギリ癖は単なる心の問題ではなく、人間の脳が抱える根本的な弱点であるということを踏まえた上で、「ではどうすればいいのか」が分かりやす書かれており参考になりました。

 この本を読んでいてフト思い出したのが、数年前にお亡くなりになった地球物理学者で東大名誉教授の竹内均先生という「ギリギリ癖とは真逆」の人のことでした。生前、竹内先生の講演を生で聴く機会があったのですが、先生は科学雑誌『Newton』の編集長をされていた頃、主要な記事の編集の他に「もりいずみ」というペンネームで連載記事を書いていたそうで、一般に雑誌の編集というとそれこそ締切ギリギリにバタバタするというイメージがあるものなのですが、竹内先生はその連載の原稿を常に2年先の分まで書き溜めておいて、余裕を持って原稿を印刷にまわしていたと仰っていました。このエピソードをきいて、なんと勤勉な人なのだろうと驚きました。竹内先生は、持って生まれた才能も勿論あるのでしょうが、そういった勤勉さがあったからこそ偉大な業績を残されたのだなぁ、と思いました。ちなみに、竹内先生のモットーは「勤勉・正直・感謝」だと仰っていました。本当にツメのアカでも煎じて飲ませて頂きたいくらいです ^^;)