ポーリング博士

 ノーベル賞を生涯で2度受賞した人は何人かいますが(マリー・キュリーとか)、単独で2度受賞したことがあるのは歴史上たった一人しかいません。それは、ライナス・ポーリング博士です。博士は1954年にノーベル化学賞を、1962年にノーベル平和賞を受賞しました。

 ポーリング博士は、私が学んだオレゴンの大学の卒業生であり、この大学には彼の名を冠した研究所もありますし、教授陣以下大学のスタッフ達はみな彼のことを誇りに思っている様子がひしひしと伝わってきました。
 私が取っていた生化学のクラスの教授などは、「私がこのクラスで教えたことは、期末テストが終わったら忘れてもらっても構わないが、この大学で学んだ以上は、これだけは覚えておいてくれ」と言って、ポーリング博士の偉大な業績のひとつであるαヘリックス(タンパク質の2次構造)について説明してくれました。その教授が言ったように、生化学のクラスで学んだことは期末テストが済んだら大方忘れてしまいましたが^^;、αヘリックスについては今でもしっかりと覚えており、毎年ノーベル賞の季節になるとポーリング博士のことと伴に思い出します。