十四代を買いに

 十四代という日本酒があることを知ったのは一橋大のマイク・モラスキー教授が書いた『呑めば、都』という本でした。以来、このお酒のことが気になって、探しているのですがなかなか見つかりませんでした。十四代を製造している高木酒造は山形にあるので、もしかしたら東北地方の方が手に入り易いかも、と非常に安直ではありますがそう考えて、今回の仙台旅行の際に酒屋をあたってみることにしました。
 ネットで調べてみましたところ、仙台駅から少し離れた所にこだわりの日本酒を取り揃えている店があったので、そこへ行ってみました。お盆中でしたが幸いお店は営業していて、単刀直入に店主に「十四代は置いてますか?」と訊きました。すると、このお店では十四代を取り扱ってはいるけど今は無い、そしていつ入荷するかもわからないとのことでした。入手が難しい理由としては、生産量自体が非常に少ないかららしいです。年に何本かは入荷しますが、十四代を欲しがる人は多く、そのうちのどのお客に販売するかとなると、どうしても「普段からうちのお店でよく買ってくれる人」を優先することになるので、一般の人にはなかなか順番が回ってこないのが実情らしいです。つまり、私のような通りすがりがふらっと店へやって来ても売らないよ、ということなのでしょう。
 まあ、そういうことなら仕方が無いと諦めて、「では何かおすすめのお酒はありますか?」と私の好みなどを伝えつつお尋ねして2本の吟醸酒を薦めてもらいました。1本は福島、もう1本は名古屋の蔵元が作っているものでした。迷った末に結局両方とも購入し、名古屋のお酒の方は、仙台に住む妹の旦那のお父さん(今回のサッカーのチケットを取ってもらったので)に贈り、福島のお酒は岐阜の父へのお土産としました。両方ともどんな味がするのか気になるところです。こちらでも探して、その風味を自分の舌で確かめてみたいです。