踏切

 通勤途中に踏切が1か所あるのですが、私が毎朝そこを通るのはまだ始発電車が動き出す前の時間帯なので、踏切に行く手を遮られることはありません。しかし、仕事が割と早く終わって帰宅する際や、あるいは休日の昼間などにその踏切を通り掛ると遮断機が降りていることが時々あります。といっても通過するのは大抵は電車1台の場合がほとんどなので、待ち時間は1分間程度でしょうか。
 しかし、別の場所では踏切に引っ掛かってかなり長時間待たされた経験も少なからずあります。待っている間に段々とイライラした気分になってきて「一体どんな権限があって鉄道会社は人々が行き交う道路を遮って、人々の貴重な時間を奪うのか!」と怒りを鉄道会社に向けてしまいそうになることがあるのですが、よくよく考えて見ると、踏切とは鉄道会社の私有地を一般の人が通らせてもらうわけですから、本来であれば「通らせて頂いてありがとうごぜえますだぁ」ぐらいの気持ちを抱かねばならないかもしれませんね ぇ ^^;)

 しかし、世の中にはいろんな人がいるもので、鉄道ファンの中には「踏切をこよなく愛する」という流派があるようで「フミキリスト」などと呼ばれているらしいです。一般の人は踏切に引っ掛かると「チッ、ついてねえや」などと思うか、少なくともそれを嬉しく感じることはありませんが、フミキリスト達は嬉しくてワクワクしながら、カンカンカン(あるいはチンチンチンとか)という警報音が鳴って遮断機が厳かに降りてくる様子を眺めるのだそうです。なるほど、私はこれまでの人生において、踏切を好意的に捉えたことは全く無かったのですが、見方を変えれば踏切にも様々な個性があって奥深いものが感じられるかもしれません。次に踏切で止まった際にはじっくりと観察してみようかな。

 そんな踏切ですが、昨今は線路の高架が進められて数が減少していることが、フミキリストにとっては由々しき問題なのだとか。

 ちなみに、先ほどネットでサッと調べたところによりますと、「踏切」という言葉は「断」、つまり踏面(車輪踏面、車輪の通過部分、鉄路)によって人や車が通る道路が切断されているという意味なのだそうです。