- 作者: 柳美里
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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考えてみれば、芥川賞は年2回選考され、中には該当者無しという回もありますが、一度に複数の作家が受賞することもあり、毎年何人かの新しい「芥川賞作家」が誕生していることになります。しかし、その中で今でも活躍している人が果たして何人いるのか?割と本好きで、書店に足を運ぶことも多い私ですが、芥川賞や直木賞を受賞した後も順風満帆に執筆活動を続けている人なんてほんの数人しか思い浮かべることが出来ません。輝かしいデビューを飾ったものの、その後はパッとせず、やがては消えていく人が大半なのでしょう。村上春樹や東野圭吾のように本を並べとけばそれだけでどんどん売れるような作家はほんの一握りで、あとは生活していくのもやっとというのが実情なのかもしれません。
柳美里さんのこの本にも昔の作家が(割と有名な作家でさえ)原稿料の前借りをしたエピソードが紹介されていましたが、作家というのはそもそもあまり儲からない職業なのかもしれません。そしてそこへ更にいろんな状況が重なって、現代はかつて無いほどの「本が売れない時代」と言われ、出版業界は斜陽産業の最たるものとなるまでに落ちぶれてしまいました。ネットの普及で様々なコンテンツが無料で読めたりすることも本や雑誌が売れない原因のひとつかもしれません。このままこの状況が続いていくと、出版社がバタバタと倒産して、本の数が極端に少なくなってしまうのでしょうか。これは他の先進国でも同様の現象なのかなぁ?それにうまく対応している国もあるんだろうか?