ある環境ビデオ

 先日行った浜松の耳鼻科の待合室には大画面のモニターが2台設置されていて、いわゆる「環境ビデオ」というやつなのか、海の中の風景を撮影した動画が再生されていました。イルカが泳いでいるシーンは、まあよくある映像だなと思うのですが、ウミヘビが泳いでいるシーンになると、やや不愉快というかあまり観ていて気持ちが良いものではないと感じるようになり、やがて何故かサメの捕獲シーンに画面が変わって、猟師がサメを網で捕まえて船の上に引きずり上げ、刃物でヒレを切り取って、サメの本体は海に投げ込まれます。そしてカメラは、ヒレを切り取られたサメが弱々しく身を動かし、傷口から血を流しながら海底へ沈んでいく様子を追っていきます。これを観ていると、なんだかとても嫌な気分になっていきました。「サメかわいそう」とか「これを観ちゃうとフカヒレを食べるのは抵抗があるな」という気持ちになるのですが、なんでこんなビデオを病院の待合室で流しているのか理解に苦しみました。もっと普通の環境ビデオのように、森の木立が風に揺れ動く様子や小川のせせらぎを撮影したものがたくさん出回っているはずなのに、敢えてこのビデオを選択した理由を知りたくなってしまいました。