取り忘れたつり銭

 先日、会社から駅まで歩いて帰る途中、自販機でペットボトルのお茶を買いました。100円硬貨2枚を入れて、ボタンを押し、商品を取り出して、つり銭を取ろうとしたところでつり銭が妙に多いことに気が付きました。余分にあったつり銭は840円で、私の前にこの自販機を利用した人が千円札で160円の飲料を購入し、つり銭を取らずに行ってしまったものと思われます。そこで私はある出来事を思い出しました。1か月ほど前に、別の場所で自販機に千円札を入れてお茶を購入したのですが、慌てていたため、つり銭を取るのを忘れてしまったことがありました。その時のつり銭の金額がちょうど840円でしたので、今回と全く逆のパターンということになります。あの時に取り忘れた840円が戻って来たと思えば私の損失はチャラになるなぁという考えが一瞬頭をよぎりました。確かに、計算上はそうなるのですが、心理的には気持ちの良いものではありません。それに厳密に言えば、他の人が取り忘れたつり銭を着服する行為は犯罪に当たります(刑法254条の拾得物横領罪・占有離脱物横領罪)。今回利用した自販機のすぐそばにたまたまこの自販機を管理する商店があったので、その店の人につり銭が忘れてあった旨を伝えて840円を渡してきました。これで心もスッキリしたのでありました。しかし、こういうふうに正しい行動を選択したのは、この日がたまたま甥っ子の誕生日で、大好きな甥っ子のおめでたい日に、心にモヤモヤが残るような行為はしたくない、と思ったことが最大の理由だったと思います。私には子供がいないので(お嫁さんもいないけどね ^^;)親の心理というのは想像するしかないのですが、もしかしたらこういうものなのかもしれません。