映画(3)

 お昼過ぎに、名古屋駅前の映画館で『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきました。音楽関係の映画というのは、その音楽やバンドに熱い思い入れがある場合は別として、多くの人に共感されるというのは難しく、しかも事実に基づいたストーリー展開なので演出にも制約があり面白さに限界があるのが普通なのですが、この『ボヘミアン・ラプソディ』はたいへん面白い映画に仕上がっていて、クイーンファンならずとも楽しめると思います。

 一緒に観に行った女性は、時折涙を拭きながらスクリーンに見入っていました。私も何度か涙が溢れてきました。ただ、彼女が涙を拭いたのは主人公のフレディ・マーキュリーの生き様が力強く描かれているシーンだったのに対して、私がグッときたのは主人公の家族の愛情が描かれているシーンでしたので、感動したポイントは微妙に違っていたのですが。
 もう一回観たら、また違う点に感動しそうな気がします。それぐらい深みのある映画である事は間違いありません。もう一回観に行こうかな。

 クイーンの曲は、学生時代に少し聴いた程度です。CDはベスト盤を1枚持っていたはずなのですが、以前、大量に溜まったCDを整理した際に処分してしまったのか見当たりません。しかし、この映画を観て、じっくりと聴きたくなったので、あらためて購入することにしました。CDではなく、iTunesストアからダウンロードするのですが、ベスト盤的なアルバムが複数あって、収録している曲が異なり、私が聴きたい曲を全て網羅しているアルバムはありませんでした。悩んだ末にこの映画のオリジナルサウンドトラックにしました。

 ところで、この映画でフレディ・マーキュリー役を演じているラミ・マレックは、以前、『Mr.Robot』というコンピューターのハッカーを描いたアメリカのテレビドラマに出ていました。このキャスティングを知ったときは、「ええっ? あの俳優がフレディ役をやるの!?」と驚きました。といのは、あまりにもイメージが違い過ぎたからです。確かに、この『ボヘミアン・ラプソディ』でもはじめのうちは『Mr.Robot』の時の雰囲気を引きずっている感じの演技でしたが、ストーリーが進んでクイーンの曲を歌いだすと、まるでフレディが降臨したかのように、フレディになりきって、エネルギーに溢れるフレディを演じていました。特に、映画の冒頭とラストにあるウェンブリースタジアムでのライブエイドのパフォーマンスシーンは圧巻でした。このシーンだけでももう一回観たいです。