『ハンターキラー 潜航せよ』

 今年の春に公開された『ハンターキラー 潜航せよ』という映画のレンタルが間も無くスタートするので楽しみにしていましたが、その前に原作を読んでおこうと思い、ハヤカワ文庫から出ている文庫(上下巻)のうち、上巻を読みました。上巻だけで400ページ以上あり、読み終えるのに時間がかかってしまい、下巻はまだ読めていません。

 クーデターを起こそうとしているロシア海軍に米海軍の潜水艦が巻き込まれる、という話のようですが、上巻はページ数の割にはストーリーの進行がやや緩慢な感じがします。散りばめられた幾つかの伏線が下巻で綺麗に回収されていくことを期待したいです。あと、映画の予告編の動画を見る限りでは、潜水艦同士のバトルが多そうなのですが、原作の小説では今のところ、それほど多くありません。下巻では息詰まるような駆け引きが展開されるのか、楽しみです。それから、最近のアクション映画やアクション小説は、米軍特殊部隊と中東テロ組織の対決といったものがやたら多くて、潜水艦を扱ったストーリーはほとんど見かけなくなりました。特に小説では、潜水艦を描写するのが難しいのかもしれません。難しいので、良い原作が生まれず、必然的に映画化されることも少なくなってしまうのでしょう。そういう意味ではこの『ハンターキラー』は大変貴重な作品と言えましょう。

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)