西加奈子さんの本をまた読みました。『あおい』という本で、こちらはデビュー作だそうです。主人公はさっちゃんという27歳の女性で、3歳下のダメ男子学生と同棲していて、その彼氏との関係を中心に物語が進行していきます。そこで描かれている世界は小さいと言えば小さくて狭い範囲のことで、映像化して若い俳優が演じたりすればかなり陳腐なドラマになってしまいそうですが、西加奈子の文章にこの物語が乗ると深みのあるものになるから不思議です。表題作の『あおい』の他にも2つの短編小説がおさめられていて、そちらもなかなか良かったです。