イコライザー2

 デンゼル・ワシントン主演のアクション映画『イコライザー2』をレンタルで観ました。表向きは普通の社会人として生活しているのですが、実は元CIAの優秀な工作員として数々の暗殺を行っていた彼は、裏側では世の中の悪い奴らを懲らしめる活動を粛々と行っているのでありました。

 ところで、アメリカのアクション映画やドラマにはこの「元CIAの工作員」という設定がよく登場します。観る側としては、元CIAと言われてしまうと、ああそうなんだぁ、だったらこんなに強くても当然だよね、と半ば強引に納得させられてしまうし、映画・ドラマを製作する側としては苦労することなく人物設定が出来てしまうので簡単なのでしょう。それに映画だと1時間半ほどで物語を完結させねばならないので、主人公の人物描写に長い時間を割くわけにはいかないという事情もあって「元CIA」という設定に頼らざるを得ないのかもしれません。「元CIA」と一発かまされてしまうと、それはまるで黄門様の印籠のようなもので、我々はただハハァ〜とひれ伏すしかありません。ただこういう設定の映画が多すぎると段々と重みが無くなっていくように思えます。この他に多いのが元ネイビーシールズ(海軍特殊部隊)の隊員だったという設定かな。どちらの設定の人物もやたら強いのですが、元CIAの場合は当局によって殺人マシンになってしまったけど役に立たなくなったらポイッと捨てられることへの恨みを抱いているパターンが多く、元ネイビーシールズの場合は、除隊してからもやたら愛国心が強いのが特徴。

 さて、『イコライザー2』ですが、1作目では昼間の職業はホームセンターの店員だったデンゼル・ワシントン、今回はウーバー(配車サービス)の運転手をしながら、その一方で司法の手が届かないところで人を苦しめている悪い奴らを自分なりの倫理で裁いていきます。

 相手が何人いようと、19秒以内に全員をぶちのめすのが前作のウリのひとつだったのですが、今回は戦闘開始前に一応ストップウォッチをスタートさせて時間を計測しているのですが19秒という数字にはこだわっていないようでした。更に、アクションシーンの量が前作よりも少ないという声がレビューの中に多く見られたのですが、個人的には物足りなさはさほど感じませんでした。

 映画の中ではバッタバッタと相手を倒していくデンゼル・ワシントンですが、実際の年齢は64歳とのこと。アクションヒーローとしては、いささか歳を取りすぎているように思えます。でもあと1〜2作はこのシリーズで頑張って欲しいです。