ハードボイルド小説というと、頭に浮かぶのは海外の作品ばかりです。日本の作家でハードボイルド小説を書くのは誰かと言うと、すぐには思いつきませんが、古くは北方謙三とか更に前だと大藪春彦かもしれません。私は、それらの作家が書いたハードボイルド小説は読んだことが無く、それは何故かと言うと、ハードボイルドの世界観が日本に馴染まないような気がするからです。しかし、最近になって原尞(はら りょう)という作家のハードボイルドは評価が高いらしいと聞き、『それまでの明日』という作品を読んでみました。500ページを超える長編ですが、退屈せずすらすら読み進むことが出来ました。ストーリーが複雑に入り組んでいてやや分かりにくい部分はありますが、面白い作品でした。