自分の部屋の掃除をしていたら母校の大学から定期的に届くニュースレターが出てきました。この類の郵便物はたいていは届いた時にすぐに目を通すのですが、未開封のまま放置してあったものが1通ありました。このニュースレターは、大学の様子などを伝えるページも一応あるにはあります。しかし、卒業して随分と経つのにずっとニュースレターを送り続けてくる主たる目的は大学の様子を伝えることではなく、寄付金を集めることに他ならないと思います。従って、開封するとまず真っ先に同封されている寄付金の振込用紙を破って捨ててしまうことが多いです。今回も振込用紙を捨てようと手に取ったのですが、「古本募金」という文字が目に入ったので「何だろう?」と思って読んでみました。読み終えた本(別に途中まで読んだ本や未読の本でもよいのですが)を指定されたサイトから申し込んで指定された古本業者へ送ると、その買取代金が母校に寄付されて、そのお金が大学の教育・研究のために使われる、という仕組みなのだそうです。私は本をよく買う上に古本屋には売らない主義なので本は溜まっていく一方です。何故、古本屋へ売らないかというと、以前にもブログに書いたことがあるのですが、古本屋で本が売れても、その本の著者の懐には1円も入らないからです。それどころか、古本で売れたら普通の書店で正規の値段で売られている同じ本の売上が減ってしまうことになり、ただでさえ斜陽化している出版業界がますます衰退し、作家という職業が成り立たなくなり、本が出なくなり、面白い本と出会うことができなくなってしまうからです。百歩譲って、学生ならお金が無いだろうから古本を買ったり売ったりするのは仕方がないとしても、社会人たるもの、本なんて千円〜二千円ぐらいのものなのだから、それぐらいは払えよなと思います。さて、そんな「古本屋反対派」の私ですが、大学の教育や研究の一助となるのであれば、このシステムを使ってみようかなという気にもなりました。ただし、2010年以前に出版された本は値段が付かなくて廃棄されるそうなので、1冊づつ調べなければならないのは面倒なのですが。