うろ覚えのタイトル

 図書館のカウンターに居る司書は利用者から「◯◯◯という本、ありますか?」という問い合わせを受けることがよくあるそうです。本のタイトルを正確に記憶している利用者もいるのですが、中にはタイトルを全く間違えて記憶している利用者もいたり、正確には思い出せずに「大体こんな感じだった」的な自分なりのタイトルを新たに創造してしまう利用者もいるようです。そんな間違ったタイトルを集めたものが1冊の本となりましたので読んでみました。この本に載っているのは福井県立図書館で実際に利用者が間違えて覚えていた、あるいはうろ覚えだった本のタイトルです。以下はその一部で( )内が正しいタイトルです。夏目漱石の『僕ちゃん』(坊ちゃん)。村上春樹の『IQ84』(1Q84)。『あでらんすの鐘』(あんでらすの鐘)。村上春樹の『そば屋再襲撃』(パン屋再襲撃)。『痔』(痣)。『100万回死んだねこ』(100万回生きたねこ)。『おい桐島、お前部活やめるのか?』(桐島、部活やめるってよ)。『私、残業しません』(わたし定時で帰ります。)。『人生が片付くときめきの魔法』(人生がときめく片づけの魔法』)。『あだしはあだしでいぐから』(おらおらでひとりいぐも)。『これこれちこうよれ』(日日是好日)。

 私自身は図書館の司書にうろ覚えで間違ったタイトルを口走ったことは無いのですが、数年前に村上春樹の『職業としての小説家』という本が間も無く発売になるという新聞広告を見て、某大型書店に予約の電話をした際に「村上春樹の『小説家という職業』という本を予約したいんですけど」と言ってしまったことはありました。でもちゃんとその本は届いたので、タイトルなんて間違っていてもだいたいのニュアンスが伝われば何とかなる場合が多いのかもしれません。