Old Parr(オールド・パー)というスコッチウイスキーがあります。「オールド・パー」とは、日本語で言うならば「パーお爺さん」。このお酒の名前は1635年に152歳で亡くなった英国史上最長寿のトーマス・パーに因んで付けられたのだそうです。私は普段は専らシングルモルトを好んで飲むのですが、たまにはブレンドも飲んでみようかと思い立ち、2番目に頭に思い浮かんだオールド・パーを買い求めることにしました(因みに1番目に思い浮かんだのはシーバス・リーガルでした)。他のウイスキーと同様にオールド・パーにも幾つかのグレードというか熟成年数があるのですが、最も美味しいであろう18年物を選びました。価格は1万円ほど。飲んでみると確かに「高級なお酒」っぽさが十分に感じられる深みのある味わいで、このブレンド技術は相当高度なものだと理解できました。最初にこのオールド・パーに出会っていたら、こういうタイプのウイスキーこそが正統派のウイスキーだと思っていたことでしょう。しかしながら、私は最初にスコッチの中でもかなり癖の強いアイラモルトの洗礼を受けてしまい、その魅力の虜になってしまったので、このオールド・パーは美味しいのだけど何か物足りなさを感じてしまうのでした。その足りない何かとは、アイラモルトの特徴である強烈なピートの香り。やはりそれがないとウイスキーを飲んだ気になれません。