FMヨコハマ

 大学の4年間は、東京世田谷の狭いアパートに住んでいました。岐阜から上京して暫くの間、アパートの私の部屋にはテレビがありませんでした(お金が無かったわけではないのですが、何故かすぐには買いませんでした)。その代りにラジオを聴くことが多く、とりわけFMヨコハマを好んで聴いていました。何故、FM東京ではなくFMヨコハマだったのか、記憶が定かではないのですが、「横浜」という街にそこはかとない憧れのようなものを感じていたように思います。東京は、例えばニューヨークみたいに、いろんな物や人が目まぐるしい勢いで動いていて、ガツガツしているっていうイメージがあるのですが、横浜は「洗練された大人の街」で、おしゃれで、東京みたいにガツガツしてなくて、横浜ベイスターズもガツガツ勝とうとしてなくて(笑)、ちょっと異国のテイストもあったりして、魅惑の都市に思えたものでした。FMヨコハマを聴きながら、そんなイメージを膨らませていました。
 しかし、卒業して東京エリアを離れてからは、FMヨコハマを聴く機会も全く無くなり、その存在すら忘却の彼方へほぼ完全に消えていました。
 ところが最近になって、インターネットを介してラジオ番組を配信する「radiko(ラジコ)」というものがあり、そこでFMヨコハマが聴けることを知り、時間をみつけては時々聴いています(http://radiko.jp/)。まるで長いあいだ音信不通だった友達と連絡が取れたみたいで、何だかとっても懐かしく感じました。
 このradikoで聴けるのは、今のところAMとFM合わせて11局だけですが、地上波では聴けない番組も楽しめるし、AMの音質はFMなみにクリアです。便利な世の中になったもんです。