カットウィッグ

 陽が沈み、あたりが暗くなってからの遅い時間帯に美容院の前を通りかかると、お店の中で美容師さんがマネキンの頭を相手にカットの練習をしているのをガラス越しに見かけることがあります。「あのマネキンは一体何なのだろう?」と素朴な疑問を抱いたので、行きつけの美容院の女性に質問してみましたところ、「カットウィッグ」という名前だそうです。あの毛は、子供向けの人形の毛のような人工的に作ったものかと思ったのですが、人毛100%のものもあれば、人毛と人工毛の混合品もあるのだそうです。美容師は専門の業者からこのカットウィッグを購入するそうですが、調べてみたらAmazonでも売っており、値段は3,000円ぐらいからもっと高い物までいろいろありました。「ユキナ」などといった名前が付いている商品があったり、「日本人に多い髪質」とか「耳の周りをリアルに再現」といったキャッチコピーもありました (^^;)
 「使用後」のカットウィッグは、再び髪が伸びてくることは決して無いので、一般ゴミとして処理するのだそうですが、美容師の専門学校に通っている頃はマネキンの頭が部屋にゴロゴロと転がっているという状態も珍しくなく、また、カットの技を競う大会などで賞を取ったカットウィッグは自宅の部屋に飾ったりすることもあるそうです。私は人形が苦手で、そういった類の物は部屋に一切置いていないので、マネキンの頭がゴロゴロと転がっている様子を想像しただけで、ぞくっと寒気を感じます (^^;)