父方の祖父(随分前に他界しましたが)は、会社役員を引退後、山奥に家を建てて移り住み、隠居生活をしておりました。祖父としては、大自然に囲まれて悠々自適の生活を送り、老後をエンジョイしていたのですが、彼の妻(私から見ると祖母)は、急に山の中へ引っ越すことを余儀なくされて物理的にも精神的にも大変だったようでした。なにせ山の中なので、食料品の買い出しには遠く離れた麓の町まで行かねばならないのですが、バスも通っていないし、祖母は車の運転も出来なければ自転車にさえ乗れません。かといって歩くには遠すぎる距離なので、思案の挙句、祖母は町までの交通手段として「馬を買って欲しい」と祖父に嘆願したのだそうです。自転車や車よりも馬を乗りこなす方がよっぽど難易度が高いと思うのですが、祖母としてはどうしても馬が欲しかったのでしょう。しかし、馬は世話をするのが大変だという理由で、祖母の願いはあえなく却下されてしまったそうです。仮に、馬を入手できたとして、その馬に乗って町のスーパーへ行き、どこに駐車ならぬ「駐馬」しておくのだろうか、と考えると夜も眠れなくなりそうです。
 ところで馬といのは、一体いくらぐらいするものなのか、気になったのでネットで少し検索してみたら、競走馬(サラブレッド)は特殊なので別として(億単位か?)、乗馬競技用なら100万単位、農耕用は数十万、更にその下のランクもあり、軽い骨折をした競争馬はタダ同然の値段だとか。購入費以外にも、馬専用のスペースが必要だし、飼い葉代も馬鹿にならないでしょうし、蹄の手入れや予防接種なども必要ですし、何かと手間と費用がかかるようです。
 参考までに、馬は道交法上は「軽車両」なので、道を歩く時は当然、赤信号では停まらなければなりませんし、法定速度を超えるスピードで疾走してはいけないのだそうです。馬に乗りながら携帯電話をいじるのもダメなんでしょうね (^^)