『かかってこいパリ』

かかってこい、パリ

かかってこい、パリ

 暫く前に記事にした『パリ 愛してるぜ〜』の続編です。「続編」というと、1作目がうまく売れたので、その勢いを借りて出版しているだけというパターンもよくあると思うのですが、この『かかってこいパリ』に関しては前作よりも中身が濃くなっていました。
 マンガではありますが、私がよく行く書店では、マンガコーナーではなくて、カルチャーショックをネタにした本(『ダーリンは外国人』や『日本人の知らない日本語』など)の棚に置いてありました。

 村上春樹の『遠い太鼓』という本(エッセイ)の中に、彼がイタリアで暮らしていた頃に感じたイタリア人の「いいかげんさ」に対する苛立ちについて書かれてあるページが相当あったのですが、この『かかってこいパリ』に描かれているフランス人にも同様の「いいかげんさ」があり、ラテン系の特徴なのかなと思いました。

 悪く言えば「いいかげん」、良く言えば「おおらか」な気質は、日本人の几帳面で細かいところまで気を配る性格とは対極にあるのは事実なのでしょうが、私がアメリカにいる頃に出会ったアジアの他の国の人たちにもこういった「おおらかさ」は多かれ少なかれ感じられ、例えば韓国人や中国人は外見こそ日本人と同じアジア系ではありますが、中身は日本よりも「大陸的」といいますか、ラテン系を含めた他の国のカルチャーや国民性の方にむしろ近いように感じました。
 更に、この『かかってこいパリ』はパリでの出来事を綴った本ではありますが、舞台をアメリカに置き換えても大部分は共通するように感じますし、この作者が仮にアメリカ(特に西海岸南部)へ行っていたとしても同じようなテイストの本が出来上がっていたかもしれないと思いました。