『エリジウム』

 先日、マット・デイモン主演の『エリジウム』のDVDをレンタルで観ました。この作品の監督は南アフリカ出身で、前作『第9地区』ではアカデミー賞の作品賞などにノミネートされていました。いずれもSF映画で、『第9地区』では人種差別問題を人類とエイリアンの対立に置き換えて表現していましたが、この『エリジウム』では僅かなエリート富裕層と大多数の貧困層の二極化をモチーフにしていました。一部のお金持ち達は環境が破壊された地球から逃れて衛生軌道上に作った『エリジウム」と呼ばれるスペースコロニーに移住し、貧乏人達は地上で貧困の中で暮らすという設定でした。そこに描かれている世界観自体は真新しいものではなく、SFとしては古典的なストーリーに思えました。
 参考までに、タイトルの「エリジウム」とはギリシャ神話で神々に愛された人々が死後に住む楽園という意味で、フランスのエリゼ宮殿シャンゼリゼという名称はこの語にちなむものだそうです。あと、「エリート」という言葉の語源が「エリジウム」だとする説もあるのだとか。