無国籍者

 僅かばかりの金額を定期的にサポートさせて頂いている国連のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)という機関から活動内容等を紹介するニュースレターのような小冊子『With You』が時々届きます。先日届いたWith Youの中でグレッグ・コンスタンティンという写真家が紹介されており、彼へのインタビューが掲載されていました。彼はアメリカ人の写真家で、2005 年末から「Nowhere People」というプロジェクトを立ち上げ、国籍の無い人々つまり「無国籍者」を撮り続けています。そのプロジェクトの一環として無国籍者を撮影した写真の展示会を各地で行っており、日本でも今年の4月に東京で展示会が開催されたとのこと。そのインタビューの中でグレッグ氏は、世界で最も無国籍者が多いのはアジアであり、そのアジアで経済的・政治的に強い影響力を持つ日本が先陣を切って無国籍者の問題に取り組んで欲しいと訴えておりました。一口に無国籍者と言っても、いろんな問題が複雑に絡み合っているので、「取り組んで欲しい」と言われても何から手を付ければよいのかわからず、問題のあまりの大きさにむしろ絶望感さえ抱いてしまいそうですが、まずはグレッグ氏の撮影した写真を見ることによって関心を高めるところからスタートするのもいいかもしれません。