マラソンのシーズン (3)

 よく「夜書いた手紙は出すな」あるいは「夜書いた手紙は翌朝必ず読み返せ」などと言われますが、それは夜は落ち着いているように見えても、「書く」という行為においては、いわばリミッターが外れて思考が奔放に、時として過激な方向へ走りがちになるせいかもしれません。
 こういった夜の精神状態は「書く」という行為に顕著に表れますが、「何かを決定する」という行為においても同様な傾向が見られます。私の場合は、例えばどのマラソン大会に出ようかと種目や日程をネットで調べて検討する際、夜にこれをやっていると実際の自分の体力等を過大評価して、フルマラソンを短期間にいくつも出場する計画を立てたり、開催地が遠く離れていても全く気にしなかったりします。そして翌朝になってその計画を見直してみると、この計画は無理があるなぁ、と反省して現実的なプランに修正するといったことが少なからずあります。
 今回の例で言えば、大晦日から元日にかけて奈良から伊勢神宮までの60キロのウォーキングなどは、夜は「なかなか面白そうだ!出場したいな。」と思うのですが、翌朝冷静な精神状態で吟味してみると、大晦日のバタバタする時期に家庭の事を放置して出掛けるのはどうかと思いますし、出発地点の奈良へ行くのだってそれなりの時間と費用が掛かるのでやっぱりやめておこうと思うに至ったりしました。今シーズンに出場を検討している大会のエントリーの締切までにはまだもう少し時間があるので、冷静な気持ちでじっくりと考えて判断したいです。