もう何か月も前にラジオにゲスト出演していたのを聴いたのがきっかけで中野瑞樹という一風変わった男性のことを知りました。この人はマツコの番組なんかにも出たことがあるようなので、そこそこ知られているみたいですが、自らを「果物の使者」と呼ぶフルーツ研究家。和歌山県出身で、京大農学部を卒業後、2001年から東大で教員をしていたのですが、この時にフルーツに興味を持ち、フルーツの魅力を伝えるセミナーを開始しました。そして2005年に東大を辞職し独立して、2009年9月から現在に至るまでフルーツだけの食生活を続けているのだそうです。正確には果実と塩だけを食べて、それ以外の物は一切口にせず、お酒は勿論のこと水やお茶さえも飲まないのだそうです。フルーツ以外に口にするのはアボカドと栗、加工品の梅干し、果実野菜のトマト、オクラ、ピーマン。メロンの皮の粕漬け、果実系の調味料である胡椒、山椒、一味唐辛子、そして冬には脂質を補給するために果実系油脂のオリーブオイルとココナッツオイルを摂ることもあるのだそうです(摂らない年もあるとのこと)。
そんな偏った食生活では体を壊すのではないかと思うのですが、体重は70キロから52キロへ、ウエストは73センチから62センチへ減り、その一方で骨密度は20歳の男性の平均値よりも30%増加。病気や不具合が発生することもなく、長年苦しんできた花粉症も無くなったのだそうです。
花粉症が無くなるというのは私にとってはとても魅力的なのですが、さすがに美味しいお寿司やお酒を諦める気にはなれません。しかし、中野さんは何もフルーツ以外の物を食べるなと言っているのではなく、今よりももっとフルーツを食生活に取り入れることを推奨しているのです。日本人のフルーツの消費量は1日100gにも届きません。20〜40代に至っては50gも食べていません。世界では200g、欧米では300gのフルーツが当たり前のように食べられているのだそうです。
この考えに共感した私は、フルーツを食生活に積極的に取り入れるよう心掛けるようになりました。ただ問題は、フルーツの価格が決して安くないこと。気軽に買えるのはバナナぐらいで、あとは他の食品よりも大抵は高いので贅沢品と感じ、買うのをためらいがちです。日本人のフルーツの消費量が少ないのは、それが体に良いことに気が付いていないのではなく、単純に価格が高いことが一番の理由のような気がします。もう少し安くなれば、その分だけ消費量も増えるのではないかと思うのですが。