目は臆病、手は鬼

 一週間程前になりますが、気仙沼ニッティングの御手洗瑞子社長のコラムが毎日新聞に載っていました。そこで御手洗さんは「目は臆病、手は鬼」という言葉を紹介していました。この言葉は気仙沼地方に古くから伝わる格言のようなもので、あまりの作業量に気おくれしそうなときも、ひとたび手を動かすと、手はもくもくと働き続け、いつの間にかやり遂げる。だからおじけづかずにまず手を動かそうという意味だそうです。
 作業量の多さに圧倒されて億劫になったとしても、そこでパッと気持ちを切り替えて仕事に取りかかるスイッチを入れてくれる言葉だと思います。この格言そのものを知っているかどうかはともかく、めんどくさいなと思ってダラダラするのと、サッと目の前の仕事に(あるいは勉強に)取りかかれるかでは、長い人生において大きな差が生まれると思います。
 私は根がグータラなので、めんどくさいなと思ってしまう方です。そんな時は、マラソンで走る時も一歩一歩前へ進んで行けばやがては42.195キロを走破しているじゃないか、と自分を励まして仕事に取りかかることがあります。
 何かを成し遂げる際にはいくつかの壁がありますが、大きな壁のひとつが「スタート」。とにかく始めなければどうしたって前へ進まないのに、なかなか始められなくてズルズルと先延ばしにしがちな私ですが、これからはこの「目は臆病、手は鬼」という言葉を思い出して気持ち良くパッとスタートできるようにしたいです。