ナイトスクープ

 1週間の仕事を終え、夜遅くに帰宅し、お風呂と食事を済ませ、さぁたっぷり寝てやろう、と思ったのですが、何故か目が冴えてしまい、布団に入る気になりませんでした。何となくテレビをつけ、チェンネルを回していると、たまたま『探偵ナイトスクープ』がやっていたので暫く観ることにしました。視聴者からの最初の依頼は、大学生の女性からのもので、10代の頃に急に姿を消してしまった父親に会いたい、会って、あの時には言えなかった「ありがとう」を言いたいというものでした。この御家庭の事情は少々複雑で、この一家は大衆演劇をやっていて、その時の父親と娘達とは血の繋がりは無く、あることがきっかけで父親と母親の仲が険悪になり、暫くすると父親は出てゆき、それ以来連絡が取れなくなってしまいました。番組側が父親と母親の共通の友人から情報を得て、父親の居場所を見つけ、いよいよ父と娘達(依頼者の大学生とその姉)が何年ぶりかに対面し、両者とも涙。ベタと言えばあまりにベタな展開ではありますが、個人的には、この父親の優しさがその後ろ姿から伝わってきて(顔出しはNGでしたので後ろ姿しか見えませんでした)、ジーンときてしまいました。見たところ、この父親はおそらく学歴も高くはないだろうし、収入だって大したことはないような感じで、普段の私ならばもしかしたら蔑みが混じった視線で見ていたかもしれません。しかし、この男性の後ろ姿、娘達に掛ける優しそうな言葉から、社会的なステイタスを超越した人間性がしっかりと伝わってきました。こういう優しさが少しでも感じられる人間になりたいと思いましたし、親子っていいなあ、子供がいるってことはなんて素敵なことなんだろう、と思いました。