センザンコウ

 先日、センザンコウのウロコが大量(11.9トン!)に中国当局により押収されたというニュースがありました。センザンコウとは、全身がウロコで覆われた動物で、イメージとしてはアルマジロに似てそうですが、よく見ると違います。マイナーな動物なので、普段はテレビ等で目にすることはほぼありません。このセンザンコウ絶滅危惧種に指定されていて、現在では取引が禁止されています。しかし密猟によりたくさんのセンザンコウが捕らえられ、闇で売買されているようです。センザンコウのウロコは漢方薬として喘息、リュウマチ、関節炎等に効くと信じられており、中国やベトナムでの需要が高いのだそうです。センザンコウのウロコの主成分はケラチンで、ヒトの爪やサイの角と同じで、特に貴重な成分が含まれているわけではないだろうに、こういう珍しい動物だと「効きそう」と思われてしまうのですね(そういえばサイの角も漢方薬の原料として需要がありますね)。需要があって高値で売れるとなれば密猟が横行するのは必至。漢方には優れた面がある一方で、特定の動物を絶滅に追い込んでしまうと行った厄介な側面がありますね。