春のセンバツ高校野球は、ベスト4が出揃い、いよいよ準決勝をむかえます。高校野球に限らず、例えば高校サッカーとか高校ラグビー等の高校スポーツの全国大会には、必ず「〇〇工業高校」という名前の工業高校がたくさん出場していて、上位に入ったり優勝したりしていたものでした。
しかし、最近は〇〇工業高校というのをあまり見かけなくなりました。今年のセンバツ出場校の一覧の中にもありませんでした。そもそも工業高校というのは、卒業するとメーカーの工場へ就職するのがほとんどで、工場作業員を養成するために工業高校というものがありました。特に昭和の高度成長期やそれから暫くの間はそういう工業高校出身の人材を採用したいという工場がたくさんありました。ところが、日本の企業が生産拠点を海外へ移転するようになり、国内の工場の数が減ると工業高校を出ても就職する先が減ってしまいました。こうした背景があって、工業高校の数がどんどん減っていったのです。ただ、将来工場へ就職する高校生が全くないわけではありませんので、かつての工業高校が別の高校に併合されて、その中の工業科みたいなところに入学するようになったようです。そういう場合の高校の名前は「〇〇総合学園」みたいなところが多いようです。