富士山

 富士山の姿が最も美しく眺められる場所として名高い山梨県忍野村では、村役場主催のフォトコンテストが毎年開催されていて、多数の応募の中からグランプリ(最優秀賞)を頂点とする各種の賞が選出され、村役場が制作するカレンダーにその作品が採用されたりします。今年のコンテストは既に1月31日に応募が締め切られ、各賞も決定しております。しかし、今年のコンテストで見事グランプリに輝いた作品に対して「合成写真ではないのか」という指摘が数多くあったとの新聞記事がありました。問題の作品は、山頂付近の雪が早朝の太陽の光で紅く染まり(いわゆる紅富士)、その頂上にちょうど満月が乗っかっているという構図で、同じことが太陽で起こった場合を「ダイヤモンド富士」と呼ぶのに対し、月の場合は「パール富士」と呼ばれています。しかし、外部からの指摘によると、この写真が撮られた時期の早朝の時間帯に満月(あるいはほぼ満月に近い状態の月)があの位置に来ることは無いのだそうです。そして何よりも、よくよく見てみると、山頂の真上に見える満月の向こう側にうっすらと雲がかかっています。雲の手前側に月が見えるなんてことはありえないので、なるほど確かに合成と言われても仕方がないよなと思いました。グランプリを受賞した撮影者によると、多重露光ではあるが合成ではないとのこと。コンテストによってレギュレーションは異なりますが、一般的にはカメラに備わっている機能を使う分には問題無しということが多いです。「カメラに備わっている機能」とは、例えば滝とか川の水の流れをスローシャッターで撮影すると水の流れが白い線の束となり動きが表現できるとかがあります。多重露光とは、1コマの中に複数の画像を写し込むことで、例えば、別々に打ち上げられた花火を1コマの中に入れて一気にたくさんの花火が上がっている感じを出すとか。しかし、今回のパール富士の場合は、どうなのかなぁ?多重露光のテクニックだけで、あのような表現が可能なのかなぁ?

 その富士山ですが、新型コロナの影響で今年は全ての登山道が閉鎖されますが、麓と五合目を結ぶスバルラインが今月15日に開通するとのニュースがありました。車の台数は制限するそうですが、五合目を観光することは可能のようです。