チェット・ベイカー

 ジャズというものを聴き始めたのはそれほど前ではありません。まず初めにジョン・コルトレーンサクソフォンに魅力を感じ、それからビル・エバンスのピアノにもしびれました。あと、ジャズにはトランペットがあるのですが、私の中でトランペットと言ってまず思い浮かぶのは学生のブラスバンドプロ野球私設応援団であり、何だかちょっと格が落ちるイメージがどうしてもあったので、マイルス・デイビスをちょっとかじった程度で、それ以外は全く開拓しようとは思いませんでした。しかし、つい最近、何かのオススメに上がっていたチェット・ベイカーというトランペッターが奏でるトランペットの音色に心を掴まれてしまい、一瞬でファンになってしまいました。

 その流れで、チェット・ベイカーの晩年から謎の死までを描いた『マイ・フーリッシュ・ハート』という映画をアマゾンでレンタルして観ました。トランペット奏者として素晴らしい才能を発揮したチェット・ベイカーでしたが、ドラッグの問題は常にあったようで、その晩年はかなり惨めなものであったようです。この時代のジャズ・ミュージシャンというのはほぼ全員がドラッグをやっていたと言っても過言ではないくらいでしたが、そのせいでせっかくの才能を無駄にしてしまうのは何とも勿体ない話です。映画自体は結構退屈なので、特にチェット・ベイカーに関心が無い人にはおすすめしません。


www.youtube.com