鵜匠

 長良川の鵜飼の広告(旗)がJR岐阜駅に並んでいました。現役の鵜匠たちの写真が使われています。鵜飼は岐阜の長良川以外にも各地で行われているようですが、「鵜匠」と呼ばれているのは長良川で鵜飼をする人に限ったことであることは意外と知られていないようです。その昔、長良川を見下ろす岐阜城の城主であった織田信長が鵜飼をする人に「匠」の称号を与えたことがその始まりで、その系譜にある者のみが「鵜匠」と名乗ることが許されているのであって、他の地域で鵜飼をしている人は「鵜匠」と名乗ってはなりませぬ。ちなみに、この歴史のある長良川の鵜匠たちは「宮内庁式部職鵜匠」という身分で、公務員です。宮内庁の公務員として支払われる給料は月に18〜25万円ほど。そんな少ない給料ではやっていけなくて、後継者がいなくなってしまうので、それとは別に岐阜市から年間2,000〜2,900万円が「報償費」として支払われています。そんなにたくさんの収入があるなら私も鵜匠になっておけばよかった、と思わないでもないのですが、実際にはこのお金で鵜の飼育費や船のメンテナンス、その他諸々の経費を賄わねばならないので、必ずしも裕福ではないみたいです。