蜘蛛の巣


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 一週間ほど前にオーストラリアのビクトリア州ギプスランドで低木帯が一面蜘蛛の巣に覆われたというニュースがありました。専門家によると、蜘蛛が急に大発生したわけではなく、洪水などの影響によって今まで見えないところにいた蜘蛛が表に出てきただけ、とのこと。この蜘蛛に毒は無いし、人間にとっては害虫をつかまえてくれる益虫なので駆除してはいけないとのアナウンスがあったそうです。

 このニュースを聞いて思い出したのが何年か前に読んだ翻訳小説でした。ジャック・リーチャーシリーズだったか、リンカーン・ライムシリーズだったか、忘れてしまいましたが、昆虫オタクが登場するミステリー小説でした。その小説の中で、その昆虫オタクの青年が蜘蛛の巣について語っているところがあって、彼が言うには、地球全体を蜘蛛の巣で覆ったとしても、それに要する蜘蛛の巣の重量はたった30グラムにしかならないのだそうです。小説の登場人物がそう言ったというだけであって、これが真実かどうかは分からないのですが、蜘蛛の巣なんて普段は排除の対象でしかないのに、ちょっとした神秘性を感じる一節ではありました。