北斎

 先日、葛飾北斎富嶽三十六景の全てが揃ったものが世界的な競売会社のオークションに出品され、日本円でおよそ5億4千万円で落札されたというニュースがありました。それに関するニュースの解説をラジオで聞いていて初めて知ったのですが、北斎は88歳まで生きたのでした。「人生50年」とか言われていた時代ですから、驚くべき長生きだと言えましょう。そして北斎の代表作である富嶽三十六景北斎が70歳近くになった頃の作品だと知って更に驚きました。若さとエネルギーがみなぎっている年齢でしか成し遂げられないことがたくさんある一方で、体力があまり関係無い分野においては幾つになっても業績を残すことが可能だということは、実際には余程の才能とそれまでに積み上げてきたものが不可欠であって誰にでもできることではないにせよ、若い時代はとうに過ぎてあとは年老いていくだけの世代の人達にとっては夢と希望を与えてくれる事実であるに違いありません。