餃子

 何年か前に自宅から割と近い場所に出来た「王将」へ、先日初めて行きました。餃子、ラーメン、チャーハンの三点セットを注文。中学生〜大学生時代の人生で最も腹を空かせていた頃の私にとっては、この餃子、ラーメン、チャーハンというのは「黄金の三点セット」であり「夢の三点セット」であり、ワシワシと貪るように食べ、幸福感に浸る事が出来ました。流石にこの歳になると、10代の頃のような勢いで食べることと出来ませんが、それでも私にとっては魅惑的な食べ物であることに変わりはありません。

 ギョーザを食べていて、いつも思い起こすのが、10年ぐらい前でしたか、王将が中国へ進出したけど失敗して撤退した事です。原因は、中国では餃子といえば水餃子で、日本で一般的な焼き餃子はあまり食べられていないにも拘らず、焼き餃子を売ろうとしたからです。
 私の高校時代の漢文の先生(中国出身)が言っていたのですが、中国では、焼き餃子というのは、前の日の晩御飯の残りなんかを適当に刻んで皮で包んでササッと焼いて朝御飯として食べるものらしいです。そして、そもそも、餃子というもの自体、中国全土で食べられているわけではなくて、主に北部でしか食べられていません(それも焼き餃子ではなく水餃子)。餃子は、北部では白い御飯の代わりに食べられるという位置付けらしいです。一方、中国南部ではお米が穫れるので、南部の人はお米が穫れることを誇りに思っているので、餃子なんかは食べないらしいです。このあたりに食と地域文化の結びつきの強さを垣間見る事が出来て、こういうことを無視してはビジネスは成功しないんだなぁ、と感じたものでした。