他の国ではどうなっているのか知らないのですが、アメリカでは「ハンカチは鼻をかむ物」と決まっていました。ですから、ハンカチを鼻をかむ以外に使うと、アメリカ人からはとても奇異な目で見られます。私の場合は、雨(オレゴンの冬は雨が多いのです)で濡れたマウンテンバイクのサドルをハンカチで拭いてるところを通りすがりの人が見て、オゾマシイ物でも見るかのように顔をしかめられたことがありました。
「鼻をかむ」という行為は、日本ではあまり格好のいいものではない、どちらかというと「はしたない」と考えられているようで、公衆の面前で鼻をかむことは憚られるようですが、アメリカではそれほどでもなく、私が取っていたあるクラスの教授(60歳ぐらいの女性)は、講義をしながらポケットから白いシワクチャのハンカチを取り出しては、学生の方を向いたまま、ブヒーッという大きな音をたてて鼻をかみ、そのハンカチをまたポケットにねじ込んで、何事もなかったかのようにレクチャーを続けていました。そういえば、映画『プリティーウーマン』の中にもジュリア・ロバーツ演じるヴィヴィアンがハンカチで盛大に鼻をかむシーンがありましたね。
鼻をかむのは全然OKなアメリカですが、「鼻をすする」のは下品な行為でマナー違反とされているようです。日本では、鼻をすすることを咎められることはあまり無いと思いますが、すするよりは堂々と鼻をかんでしまった方がアメリカ的にはよいみたいです。