鵜飼

 岐阜市長良川には「鵜飼」というものがあります。鵜を操って鮎を獲るという伝統的な漁法ですが、現在では主に観光客向けのショーとして毎年5月上旬から10月まで行われています。
 「観光客向け」であるため、実際には鵜飼を見たことが無い地元民は多いようで、私もそのうちの1人だったのですが、2、3年前に知人の結婚式の2次会が鵜飼見物用の屋形船の上で行われた際に鵜飼を初体験しました。

 はじめは「要は鵜が魚を獲るだけでしょ」ぐらいの軽い気持ちでいたのですが、真っ暗な闇の中から篝火に照らされた鵜舟が現れ、川の流れる音、松明が弾ける音、鵜匠が発する「ホウホウ」という声以外には音がしない、人工的な物が一切無い空間に居ると、どこかの観光用パンフレットに書いてあるような表現ですが、数百年〜千年前にタイムスリップしたようであり、現実から切り離された幻想的な世界に迷い込んだようでもありました。